へっぽこ三国志クイズアドベンチャー 『魏延の野望2』 第1章 魏文長、南蛮征伐に向かう |
漢中太守となった魏延だが、それから時間は流れ、状況も一変した。漢中王を名乗った劉備だが、蜀攻略の立役者である法正が翌年逝去。その後、献帝が死亡したとの噂を聞き、蜀漢大帝国の皇帝を名乗るも、関羽・張飛が立て続けに死亡する。怒り心頭で呉に攻め入った劉備だが、陸遜の火計で大惨敗を喫し、あまたの名将を失って自らも敗走先の白帝城で崩御。劉禅が皇帝となったのである。 魏延 「何というか・・斜陽の気分だぜ。士元も、黄爺さんも、張兄貴ももうこの世にいねえ。先帝陛下もあのようなことになられて、今上陛下はアレだし・・」 張紹 「陛下はまだ若年。これから先帝陛下のように精悍なお方になられましょう」 魏延 「でもよぉ、長坂の戦いのときに陛下は地面に落ちて頭を打っているからなぁ。」 王平 「太守・・丞相の耳に入る・・まずい」 魏延 「ふん、知ったことか!」 現在、張紹と王平が魏延の下について漢中を守っている。張紹は張飛の次男であり、魏延が張飛を兄貴と慕っていたことから、張紹も子どものときより魏延になつき、兄張苞とともに、魏延を師叔と仰いでいた。王平は魏延の副将であり、偏狭な性格で字も書けず寡黙であったが、判断力や統率力には秀でていた。 そんな漢中に、諸葛亮子飼いの将、馬謖が緊急の使者として派遣されてきた。 魏延 「お主が来るとは、よほど重大なことが起こったか・・」 馬謖 「はい。陛下が即位されたばかりで混乱している蜀を狙い、魏の司馬懿が策略を弄し、鮮卑の軻比能・南蛮の孟獲・魏の曹真・呉の孫権・裏切り者の孟達が同時に侵攻してくるとのこと!」 魏延 「何ぃっ!?」 張紹 「そんなの全部防げるわけが・・」 馬謖
「いいえ。丞相の作戦によれば、呉には 魏延 「残るは南蛮と鮮卑か」 馬謖 「そこで、空いている将として、魏将軍に南蛮軍を防いでいただきたいのです」 突然のことで魏延は目を白黒させた。魏延は漢中太守である。それがどうして対鮮卑ではなく、南蛮なのか? 王平 「太守・・驃騎将軍がいる・・」 魏延 「馬超に任せるのか?」 馬謖 「馬将軍は羌族のクォーターであり、羌族から畏れられています。彼を西平関に送れば、鮮卑は恐れて攻めてこないはずです。漢中は私がこのまま滞在し、防御を固める所存です」 張紹 「なるほど。無駄な戦闘が防げますね!」 魏延 「わかったよ。それなら仕方ねぇな。王平、馬軍師の補佐としてここに残れ。俺と張紹で南蛮に向かう」 が、その言葉を聞き、馬謖は慌てた。 馬謖 「い、いえ。漢中は私1人で充分です。王将軍も南蛮に向かわせるようにとの丞相のお言葉です」 荊州の名門馬一族の中でも秀才と謳われた馬謖にとって、もとの身分が低く学問も学んでいない王平は嫌いなタイプであった。王平は文字を知らずとも経験豊富で、その進言は的確なものであったが、エリート意識の強い馬謖にとっては、逆にそれが余計シャクにさわるのだった。代行とは言え、漢中を任された馬謖は一人でこれをやってみたかったのである。 魏延 「わかった。よし、張紹、王平。我々は直ちに孟獲を防御するために南方に向かうぞ!」 両名 「了解!」 かくして魏延は南蛮との国境に近い永昌に陣を構え、孟獲来襲の報とともに出陣するのだった。出陣に先立って、魏延は帯同させる将を決めようと、張紹と王平を呼び寄せた。 張紹 「私は戦の状況を見ることができます」 王平 「俺・・敵を抑える・・」 さて、どちらを選んだものか・・
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