私評 黄 コウエン

銀河戦国群雄伝ライ(僕が知っているのはTVアニメ版のみ)にもこんなような名前のキャラが出てきていた為、僕の中で「黄」と言えば、オノを武器とするハゲの爺さん以外の何者でもない。実際は後漢の太尉だから、オノを持った武官なわけない(ハゲの可能性はあるが)のだが、ライのイメージが強すぎる為、何回三国志を読んでも頭に連想する顔は固定されたままなのである。

同様に僕の中でどんな作品を読んでもイメージが変わらない武将に諸葛亮(横光三国志)がいる。横光の影響は強いなぁ。ちなみに劉備の顔のイメージは高校のときの担任(笑)。中国版ドラマの劉備にそっくり。

ちなみに演義では息子として黄奎というバカが出てきて、見事に曹操暗殺失敗の道化を演じるが、この黄奎は(当然、妾の李春香も)おそらく演義オリジナルである。少なくとも三国志には記述がない(後漢書は未調査)。黄奎はともかく、李春香なんて金瓶梅に出てきそうなネーミングである。というか、どうしてこんなバカ息子を創作されたのだろう。黄がかわいそうである。

演義のイメージだと、董卓に逆らう者は皆殺しという感じがするが、民衆・敵に対してはともかく、宮廷の官僚に対しては董卓はあまり危害を加えていない。権力の独占と言っても、漢を滅ぼしたわけではなく、あくまで傀儡として皇帝を残したあたり、心理的に董卓といえども宮廷に対して何らかの遠慮があったものと思われる。黄は董卓を諌めたが、その官職ゆえに免職で済んだと考えられる。

 正史 演義 戻る